
データサイエンティストのプロフェッショナル ~D4c「マイスター」の挑戦!~
メンバーにインタビュー!このシリーズでは、若手からシニアの様々なメンバーに、データサイエンティストになろうと思った経緯やD4cプレミアム/データフォーシーズとの出会い・印象に残っているプロジェクトなどについてお届けします!
今回お話を伺うのは、2019年に新卒採用で入社された橘さん。現在は親会社のデータフォーシーズに所属し、データサイエンス分野のスペシャリストである「マイスター」としても活躍されています。
自己紹介
ー まずはじめに、D4cに入社した経緯を教えていただけますか?橘さんは新卒入社でいらっしゃいますよね?
はい、2019年に新卒で入社しました。大学では工学部精密工学科で修士課程を終え、博士課程に進んだのですが、徐々にアカデミックの世界に違和感を覚え、ある時、就職を決意しました。そんな時大学で行われた企業説明会でたまたまD4cの話を聞き、統計やプログラミングはかじったことがある程度だったんですが、データサイエンスって面白そう!と感じて応募したのがきっかけです。
ーなるほど、現在はどんな業務を担当されていますか?
入社7年目となり、現在は主に飲食業界のお客様のプロジェクトリーダーを務めています。リーダーとして全体を統括しながらも、自ら手を動かし実務も行っています。2年以上同じお客様のプロジェクトに携わっており、マーケティング施策や店舗オペレーション改善のためのデータの可視化、AIを活用した分析・解析など、業務範囲は多岐にわたります。様々な部署の方と連携しながらプロジェクトを進めています。
ー大変なことや苦労してることなどはありますか?
様々な部署の方から多種多様な依頼をいただくことに最初は慣れず、苦労しました。しかし今では、一つ一つできる限り丁寧にかつスピーディーに対応することを心がけ、またその積み重ねが信頼関係を築く上で重要だという気づきを得ることができました。
もともと自分は一つのことをじっくり集中してやっていくことが得意なタイプではあるんですが、今では大概のことでは動じない精神力とマルチタスクをこなす力が鍛えられました。
マイスターとしての活動
ー 橘さんといえば、弊社独自の役職である『マイスター』としても活動されていますよね。マイスターについて詳しく教えていただけますでしょうか?
はい。一般的な企業では、キャリアパスとして管理職を目指す道がイメージされると思いますが、弊社には、それとは別にデータサイエンスの専門性を深め、技術的な側面から会社に貢献する「テクニカル系役職:Meister(マイスター)・Professor(プロフェッサー)」職というキャリアパスもあります。
私は現在マイスターとして、主に社内メンバーの技術力向上と、将来的には社外へのブランディング活動に取り組むことをミッションとしています。現状はマイスタープロフェッサーワーキンググループ(以下WG)での社内向け活動が中心ですが、インターンシップの講師や、大学でのデータサイエンス集中講義など、今後は社外向けの活動も強化していきたいと考えています。
ー なるほど。『マイスタープロフェッサーWG』とはどういったものでしょうか?
もともとマイスターは少数しかおらず、マイスターだけで活動するにはできることが限られてしまうので、ワーキンググループを立ち上げ、他のメンバーにも協力してもらいながら活動しています。
※ワーキンググループについての詳細はこちらの記事もご参照ください。
WGとしての具体的な活動は以下の4つです。
1. MS評価(Multifaced Skills評価)項目の改善提案
MS評価とは弊社の評価制度で、メンバーの「スキル・ナレッジ」面を強化・成長させる目的で設計されています。
当WGでは、毎年MS評価の評価項目が「当社のメンバーとして本当に必要なスキルセット」であるかを確認し、且つより公正な評価となっているかという視点で修正案を作成し、会社に上申していくという活動を行います。
社内の評価制度の修正案を提案していくこと自体、関われる会社って少ないんじゃないかなと思います。会社にもメンバーに対しても影響は大きいので、すごく貴重な作業に関われていると感じますし、とてもやりがいのある作業です。
2. トライアル資格制度の運用
弊社には「会社認定資格制度」があり、認定された資格を取得したメンバーに対し、受験費用の補助とMS評価への加点というメリットを提供しています。
この会社認定資格の種類を拡充することは、メンバーの資格取得意欲を高め、モチベーション向上に繋がると考えています。そのため、私たちは常に資格に関する最新情報を収集し、業務に役立つ新たな資格を積極的に導入する活動を行っており、この一連の取り組みを「トライアル資格制度」と呼んでいます。
今月は「トライアル資格体験会」イベントを開催しました。新しい資格の実際の試験問題に触れながら参加者と一緒に解答し、その後、詳しい解説を行うことで、メンバーが新たな資格取得へ踏み出すきっかけとなることを目指しました。
3. Kaggle報奨制度の利用普及
データサイエンスのコンペティションプラットフォームであるKaggleへの参加をWGとして促進しております。Kaggleに参加することで座学だけでは得られない実践的なスキルや経験が身に付きますので、参加者を増やして浸透させるのが目的です。一定の成績を残すと報奨金も出ますのでどんどん挑戦してもらいたいです。
Kaggle参加促進の一環として、昨年は「データ分析会」というイベントを開催いたしました。これはオンライン形式で参加者に、実際にKaggleで使用されるデータを渡し、その場の短い時間でデータ分析をしてもらいます。参加者に画面共有してもらいながらその分析の様子をマイスターが実況中継し、解説を加えていきます。
「今、〇〇の作業をしていますね」
「あ、ここはこうした方が効果的かもしれませんね」
なんて言いながら解説します。主催側の本人たちも楽しかったのですが、初開催の割に参加してくれたメンバーが思ったよりも多く、参加者からの評判もよかったので、継続していきたいと思っています。Kaggleのコンペティションで実際に使われるデータに触れることができるので、Kaggle参加を躊躇しているメンバーにむけて、よい起爆剤になると考えています。
4. テーマ別ナレッジ作成
こちらは、新人研修後から実務へスムーズに移行できるよう、実践的な課題を用いたナレッジを作成・共有しています。研修と実務ではギャップが生じることが多いので、その対策です。
例えば、実際の案件では研修中には教わらないような「一筋縄では行かない」データを扱うことが多く、それを事前に経験するための課題を、昨年4本リリースいたしました。
これは自分の新人時代に躓いた部分を再現していて、先に失敗を経験しておく大切さなんかも新人メンバーに共有できたらと思っています。
ーマイスター/プロフェッサーWGの活動は高度な専門知識やスキルが求められると同時に、データサイエンティストとして成長したい方にとって非常に魅力的な環境であるとも言えますね。
その通りです。WGの活動を通してメンバーには「自分もマイスターを目指したい!」と感じてもらえると嬉しいですね。マイスター職は、週の稼働時間の一部をマイスター活動に充てることが認められています。常に新しい知識やスキルを習得し、他のメンバーにとって模範となる存在であることが求められるため、自身の成長を強く意識できる環境に身を置くことができます。
ー若いメンバーからも どんどんマイスターを目指す人が増えてほしいですね!
社内交流への想い
ー ところで、橘さんが発起メンバーの一員である「ボドゲ会」という社内サークルがあると伺いました。どのようなサークルでしょうか?
これはボードゲームが好きなメンバーが集まって楽しく遊ぶ会です(笑)。コロナをきっかけに社内交流の機会が減ってしまったことがずっと心の中に引っかかっていたんです。特に年次の離れたメンバー間のコミュニケーションが取れてない気がして。金曜日の業務後に会社の会議室で気軽に参加できるような集まりを1年前にやり始めました。
今まで4回ほど開催したのですが、新卒メンバーから、ベテランの先輩までたくさん参加してくださって、コミュニケーションの活性化としてかなり効果があったと思います。特に若手メンバーにとってはかなりいい機会になったんじゃないかと思います。気軽に頼れる先輩や仲間が増えると業務においても心強いものですから。今後も定期的に開催していきたいと思います。
ー ゲームを通じて自然とコミュニケーションが生まれるのは良いですね。
ボードゲーム以外の趣味はありますか?
十数年前から将棋にハマり、勉強して段位も取りました。今は休日に行きつけの将棋クラブに行き、常連と指すくらいに落ち着いています。今、社内にはあまり「将棋好き」メンバーがいないので、もしそういう人が現れたら、ぜひ対局したいですね!
ーいいですね。今の若い世代のメンバーを見ていて何かアドバイスはありますか?
そうですね、D4cには「みんなで成長していこう」という強い風土があり、先輩たちは質問に対して親身になって教えてくれます。聞かれることを喜んでくれる人が多いので、遠慮せずにどんどん質問してほしいですね。
あとは、自分のやりたいこと、なりたい姿をどんどんアピールしてほしいと思います。個々の意向を尊重し、やりたいことをサポートしてくれる社風もあります。年4回あるノウハウプレゼン大会や朝礼など、自己表現できる場をうまく活用してアピールしてほしいです。
データサイエンティストを目指すあなたへ
ー D4cで活躍してるデータサイエンティストはどんな方が多いのでしょうか?
データ分析や解析というのは、お客様の課題解決のための手段であり、目的ではありません。そのため、お客様が抱える課題を丁寧に聞き出し、その本質を理解するためのコミュニケーション能力や、ビジネス全体を見通すビジネススキルが非常に重要になります。こうした背景から、優れた分析能力や思考力(いわゆる「地頭の良さ」)はもちろん、それらの能力と高いコミュニケーションスキルを活かして、お客様の課題解決に真摯に取り組める方が私たちのチームで多く活躍しています。
さらに、特定の分野に限定されることなく、未知の領域にも果敢にチャレンジし、新しい知識やスキルを積極的に吸収していこうとする旺盛な知的好奇心と学習意欲をお持ちの方にとって、当社の環境は刺激的で、大きな成長を実感できる場所になると思います。それができるデータサイエンティストはどんどん活躍の場を広げて飛躍しています。
ーありがとうございます。最後にデータサイエンティストを目指す方にメッセージをお願いします。
私も入社前は、データサイエンティストに華やかでスマートなイメージを持っていましたが、実際は地道な作業の積み重ねです。ぜひそこは知っておいてほしいです。ただ、そんな緻密な作業を積み重ねることでデータから有益な結論を導き出し、お客様の課題解決に貢献できたときは、大きなやりがいを感じられます。
もしデータサイエンスに興味があるのであれば、ぜひ経験未経験を問わず、挑戦してほしいと思います。
加えて言うと、現代には便利な分析ツールもすでに多く存在していますが、弊社データサイエンティスト達は「どんなデータを、どの手法で分析するのか」という本質的な部分から考察し、データから正しい解釈を導き出し、そして実現可能な課題解決策の提案を行っていくという非常にプロフェッショナルな業務にあたっています。
そんなプロフェッショナルなデータサイエンティストとして成長したいという熱意のある方と、是非一緒に働きたいですね。
ーデータサイエンティストとしての専門性を追求し、社内外への貢献を目指すマイスターとして活躍されている橘さん。その冷静かつ情熱的な語り口から、データサイエンスと若手育成への深い愛情が感じられるインタビューでした。これから益々のご活躍を期待しております。たくさんのお話をありがとうございました!
(書き手、撮影:安倍)