AIエンジニアからデータサイエンティストへ。異業種からの転職経験も持つメンバーの根底にあるものとは?
株式会社D4cプレミアムのメンバーにインタビュー!このシリーズでは、若手からシニアの様々なメンバーに取材しデータサイエンティストを目指すことになったきっかけやD4cプレミアムに入社してからのことなどについて、お届けします!
今回取材したのは、キャリアチェンジで入社された山下さん。AIエンジニア職の前はまったくの異業種で経験を積まれており、とても興味深いお話を聞くことができました!
自己紹介
ーまずはじめに、自己紹介と入社前の経歴を簡単に教えてください。
はい。私は大学では建築学を専攻し、卒業後は商業施設と木造住宅の現場監督を勤め、そのあと長年、木工家具製造業いわゆる家具職人を経験しました。
これまでのキャリアで最も長い家具職人としては、一般的な家具よりも店舗やオフィスの木工什器を工場で製作し、場合によってはそれらを現場に取り付けに行くこともありました。製造・取り付け以外にも現場監督との打合せ・見積作成・工場内のメンバーの進捗・品質管理等にも携わりました。
その後4か月間、フルタイムでプログラミングスクールにてプログラミングや機械学習・深層学習の基礎を学び、建設テックのSaaS企業にてAIエンジニアとして経験を積み、2022年11月にD4cプレミアムにデータサイエンティストとして採用いただきました。
家具職人からAIエンジニアへ
ー家具職人から未経験・異業種のAIエンジニアへのキャリアチェンジにはどういったいきさつがあったのでしょう?
家具職人としての最後の数年間は、やり切った・やりつくしたという思いが徐々に膨れ上がっていました。ただその一方で、年齢的に転職へのハードルは確実に上がっていることも自覚していて、一年ほど悶々とした日々を過ごしていたように思います。
そこで仕事をしながら、もともと興味のあったプログラミングの勉強を独学で始めました。比較的、初心者でも取り組み易いということで、言語はPythonを選択しました。
勉強の傍らIT業界のことを調べていたところ、当時「AIエンジニア・機械学習エンジニア」が高い需要に対し供給が足りていないという現状を知り、これから伸びるであろう業界への憧れとともに、業界未経験転職へのハードルを少しでも下げるため、仕事をやめてプログラミングスクールへの入学を決意しました。
ー本格的に勉強をするために長年勤めていた会社を退職されたんですね。大きな決断ですね!
スクールでは毎日10時から22時まで勉強するという生活を4か月間送り、転職活動に入りました。予想通り、IT業界未経験、アナログ業務からデジタル業界への転職、年齢によるハードル等々があり転職活動は難航しました。
その中で、建設業界にDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するプロダクトを開発・販売する企業にAIエンジニアとして採用いただきました。
そこでは大学で建築を学んだこと、現場監督としての経験、木工家具製造業が建設業界の内装業に含まれ、その中で培った知識や経験、プログラミングスクールで学んだこと、それらすべてを総合的に評価いただきました。
転職活動をするうえで、異なるスキル・経験を掛け合わせることが「社会に提供できる新たな価値の創造」になること、またそれが「他の人と差別化を生む」のだと身をもって感じられる良い経験にもなりました。
結局、転職活動は約2か月間で終えることができ、望んでいた業界へ進むことができたので、タイミングと運に恵まれていたと感じます。
ーAIエンジニアとしてはどういった業務を行っていましたか?
個別のプロジェクトの詳細な内容は話せませんが、建築にまつわる見積や検査の省力化を図るためのプロダクトを開発していました。
1つのプロジェクトはおおよそ1〜2か月の期間で行います。作業としてはCADデータをPDFに変換した図面を扱うことが多く、ディープラーニングの画像認識技術を使ったり、CADは線を数値で扱うのでその座標データを使用し、図面から特定の情報を抽出するためのアルゴリズムを構築したり、AWS上でAPIを構築したりもしました。
ディープラーニングの画像認識技術は一通り実装しましたが、ディープラーニング手法は精度を上げるための前処理や後処理をどう実装するかや、プロジェクトによっては解析処理時間に制限があることもあるので精度と解析処理時間のバランスを取ることはどの局面でもエンジニアに求められていると思います。
前職では自社開発のいくつかのプロダクトを提供しておりました。
データサイエンティストを目指したきっかけ
ーでは、AIエンジニアからデータサイエンティストを目指すことになったきっかけはなんですか?
AIエンジニアになった早い段階から、「なぜこのプロダクトを開発するに至ったか」「建築業界の誰のどの作業を支援したいのか」または「どの課題を解決したいのか」ということを考えていました。
建築業界の市場規模は大きく、建築物を扱う大中小規模のゼネコン、住宅を専門とする工務店企業、大工や鳶(とび)、建築資材を製作・販売する業種、運搬業、また、見積もり・工程表などの資料作成者、や各種検査の実施に関わる人々など、数えきれないほど多くの職種の人々が関わっています。
課題を解決するためのプロダクトを世に提供するとなると、その課題を抱えている人が多く、競合がいないもしくは少ない方が良い。そういった制約の中でいかに市場調査を行い、いざ開発するまでに落とし込むのか、AIエンジニアとして働くうちに、そのプロセスへの興味が強くなっていきました。
また、前職ではエンジニアやプロジェクトマネージャーのチームメンバー以外と関わることがなく、その先のお客様やユーザーと直に関わってみたいという想いもありました。
これらの想いが次第に強くなっていき、それまでのエンジニアとしての経験を活かし更に上流の工程にも関わることができ、様々なデータを分析し企業の意思決定の支援ができる「データサイエンティスト」になりたいと考えるようになりました。しかしながら前の職場にはデータを分析する部門がなかったので、転職することを決意しました。
D4cプレミアムを選んだ理由
ー最終的にD4cプレミアムに入社を決めた理由は何でしょう
転職活動をするうえでいくつかの企業と面接をさせていただきましたが、D4cプレミアムは二次面接で自己アピールのためのプレゼンがあったり、三次面接まであったりと、他社に比べ「選考プロセスでしっかりと応募者を見極めよう」という意思を感じました。
また、取り扱う業種業態がマーケティング・ヘルスケア・金融系と幅広く、1つのことを掘り下げていくより、いろんな分野のデータに触れてみたいと考えていた私にとって魅力的だと感じていました。
また、面接していただく中でD4cプレミアムのメンバーはもちろん、お客様にも優秀な方が多いと聞き、私のようなキャリアの人間がどこまで通用するのか試してみたいという思いもありました。ありがたいことに他にもいくつか内定を頂いた企業もありましたが、最終的にD4cプレミアムに入社を決めました。
ーD4cプレミアムに入社して感じた、この会社の魅力を教えてください。
D4cプレミアムでは、勉強意欲の高いメンバーが多いです。
様々な資格取得にも積極的ですし、勉強会やもくもく会の開催も頻繁に行われているので、向上心を持ったメンバーが多くいる環境で働きたい方には向いている職場かと思います。
また、社内wikiという社内向けサイトでは自分が勉強したことや業務で得た知識などを共有する場があり、閉鎖的になりがちな他メンバーのプロジェクト内での経験を知る良い機会になっており、そこで得た知見を自らの業務に反映することに大いに役立っています。
ー様々な職業を経験されてきた山下さんですが、自身のキャリアを考える際に大切にしていることは何ですか?
刺激があるかどうかを大事にしています。
常に成長をというと大袈裟ですが、新しい技術・スキル・知識を吸収し、それまでに出来なかったことができるようになったり、同じ作業でも以前より早くできるようになったり…また「最短時間でタスクをこなすにはどうすれば良いかを考えること」や、理解できなかったことが理解出来るようになるなど、そういった感覚を常に味わえる環境に身を置きたいと思っています。
今後のキャリアについて
ーこれからの目標・やってみたいことについて教えてください。
AIエンジニア時代には画像処理・解析をしてきたので、その知見が活かせる案件ができたらと思います。また、まだうまく説明することは出来ませんが、私にはプロダクトの開発経験があるので、データ分析とプロダクト開発の橋渡しみたいなこと、または長く建築業界に携わってきたので、建築業界や親和性のある製造業でこれまでの経験や知識を活かせる、など、私ならではのことをやってみたいです。
全くの異業種から積極的・自発的に学習を重ね、AIエンジニアへ転職され、そしてデータサイエンティストとしてD4cプレミアムへ合流いただいた山下さん。「出来なかったことが出来るようになる感覚を常に味わえる環境に身を置きたい」という言葉がとても印象的で、様々なご経験が結びつき山下さんならではの強味となっているのだと感じます。これからも益々のご活躍を期待しております! 山下さん、ありがとうございました!
(書き手:Y 撮影:吉田)